近鉄電車に乗りまくってきた③
つづき。2日目から。
- 06:44 朝食を求めて京都へ
- 10:26 路線図の端っこにあった吉野へ
- 12:55 本葛切り餅を求めて登山
- 16:04 観光特急「青の交響曲」を乗り通す
- 18:00 銭湯で汗を流す
- 21:06 「ひのとり」に乗るか否か
06:44 朝食を求めて京都へ
快活CLUB布施駅前店で夜を明かし、無事8時間以内で退室して朝食を食べに京都駅へ向かいました。平日だったので朝のラッシュに巻き込まれ、大和西大寺駅で人混みに揉まれながら乗り換え、京都線を北進しました。京都駅八条口には、お漬物屋さんがやってる「竈炊き立てご飯 土井」というお店があって、モーニングの時間帯はお漬物やお漬物を使ったお惣菜のビュッフェをやっています。以前にも訪れたことがあり、大変おいしかったので再び行ってみたかったのです。8時半ころに着いたらもうすでに並んでる方がちらほら…。開店は9時なのにすごい人気でした。
今回もたいへん美味しかったです。全種類食べようとしたわりに一つ一つの量が多くて、塩分量過多だったと思う。反省である。前回一押しだった水ナスの浅漬けがなくてちょっと悲しかったです。
10:26 路線図の端っこにあった吉野へ
京都には用事がないので、近鉄の京都駅に戻りました。名古屋線、奈良線、大阪線と、伊勢方面を除く主要路線はおおよそ乗りました。残すは南大阪線・吉野線系統です。厳密には1日目夜の大回りで南大阪線は乗りましたが、爆睡していたのと外が暗くなった後で車窓から何も見られなかったので、もう一度乗りたかったのです。この系統だけ軌間が1067mmの狭軌で、ちょっと特別感があります(他の路線は関西私鉄他社と同様の1435mmの標準軌)。時間だけはあったので、吉野線の終点・吉野駅まで行ってきました。
京都線を戻り大和西大寺駅で橿原線に乗り換え、橿原神宮前駅で下車。橿原線ホームから少し歩くと南大阪線・吉野線のホームがありました。軌間はJR在来線と同じですが、前日から標準軌の線路ばかり見ていたので大層狭く感じます。
橿原神宮前駅を出ると、すぐに車窓の風景は奈良の山奥に様変わりしました。山間部を縫ったり開けた田園風景の中を走ったり、普段コンクリートジャングルで生活している身としては、目の保養になったし、日常生活の悩み事がちっぽけなもののような気がしてきて、来てよかったな、と感慨に浸っていました。線形があまりよくなくて急カーブも多く、単線のため列車行き違い待ちがあったりして、近鉄にもローカル線があるのかと驚きました。
終点の吉野駅は予想以上に山奥にありました。木々が生い茂っていて周囲には何もありませんでした。
12:55 本葛切り餅を求めて登山
吉野は桜の名所として有名だ、と電車の中で調べて知りました。しかし訪れたのは6月だったため葉桜すらありませんでした。名物の食べ物と言えば葛餅で、観光客向けの飲食店では大抵メニューに葛餅や葛切り餅がありました。
これは一番うまい葛餅を食べねばならない。
「賞味期限10分の世界」という宣伝文句が目を引きます。原材料は吉野の葛と水だけで、作り立てが一番おいしいらしい。心は決まりました。
吉野駅から2.2km先にあって途中までケーブルカーがあるようですがこの日は運休日でした。閑散期の平日で人っ子一人いないから当然であります。
七曲坂というヘアピンカーブが連続しているアスファルトの道と、その真ん中をショートカットしている代わりに傾斜が急で足元は砂利や石畳の近道の2種類がありました。選ばれたのは、近道でした。
霧雨が降っていて涼しかったものの傾斜が思いの外急でクタクタ。
途中で休みを挟みつつ何とか辿り着きました。
本葛餅と本葛切り餅の2種類があって本葛切り餅を選びました。理由はクタクタすぎて忘れました。ただびっくりするほどおいしかったです。完全に透き通っていて舌触りはなめらか、ほどよい歯ごたえ。これはここでしか食べられないでしょう。
帰りはケーブルカーの代行バスに課金しました。疲労を鑑みると帰りの下り坂でズッコケて怪我しそうで怖かったからです。バスに乗り込んで出発した瞬間爆睡しました。
16:04 観光特急「青の交響曲」を乗り通す
吉野からの帰りは観光特急の青の交響曲(シンフォニー)でした。今回使っているきっぷは、特急券(とその他必要な料金)を払えば特急も乗れる優れものなのです。ここまで全て普通か急行でしたが、いよいよ課金です。オンラインで予約できるので便利ですね~~~~。
車両は早めに入線してきました。嘗め回すように写真を撮りまくりました。同業者と思しき人々が2,3人いてほっこりしました。
3両編成の2号車はラウンジ車両で、車内販売の軽食やドリンクが提供されていました。いわゆる観光列車に初めて乗車したので、少し感動しました。梨のシャーベット的なものをいただきました。豪華な内装の車内なのにTシャツにステテコのラフな格好でお邪魔して申し訳ない気分になっておりました。
外装も内装も煌びやかですが、種車の6221Fは1974年製でもうすぐ50歳のベテラン戦士で、揺れは大きくモーターは唸っていました。見た目と乗り心地のギャップが興味深かったですね。
18:00 銭湯で汗を流す
終点の大阪阿部野橋駅まで乗り通して、そのまま名古屋に帰ってもよかったんですが、汗がベタベタだったので銭湯に行きました。インナーの予備がなかったのでキューズモール内のGUで買いました。次から1,2枚多めに持っていこうと心に決めました。
5分位歩いたところに銭湯があったのですが運悪く休業日でした。次に近くて営業してたのは西成の某銭湯。2,30分は覚悟ですが背に腹は代えられないので、頑張って歩きました。
土地柄のせいか背中に美しい紋様が描かれてる方もいて、すごいところに来てしまったと少しだけ後悔しました。
学生はアンケートに答えたらタオルと洗面道具のセットを無料で貸してくださって、とてもありがたかったです。特に、洗顔料の泡立ちがバリよくて感動しました。
浴槽に浸かってボーーーーっとしていると、2日分の肉体の疲れが癒やされていくのを感じると同時に、日常をしんどいと感じることが多かったけれど、実はすごく狭い世界の話で、そんなに気にするようなことでもないという気づきを得ました。
21:06 「ひのとり」に乗るか否か
銭湯があまりに気持ちよくて、長居してしまいました。ほんとは急行を乗り継いで名古屋に帰る予定でしたが、時刻表を確認すると日付を跨がずに帰れる最終の列車を逃してしまったと発覚しました。
仕方がないので名阪甲特急「ひのとり」に乗ることになりました。いやーーー。本当に仕方ないけど、一度乗ってみたかったしね。うん。特急料金かかるけど一泊するより安いし。泣く泣くです。いやー厳しいっす。
車内では吉野駅で調達していた柿の葉寿司をいただきました。柿の葉には殺菌作用があって、常温でも2日くらい保つようです。飲酒もしたかったけれど、ホームのコンビニに唯一おいてあったビールが1缶300円超えで、あまりの高さにビビって買わずじまいでした。今思い返すと、ケチケチとはいえあちこちで散財したのに、最後の最後で300円をケチるのは悪手でしたね。
包装を開けて箱の中身を見てみると、一貫ずつ柿の葉で包まれているんだけど、柿の葉の大きさがどれも違うのに全て美しく包まれていたり、小袋のガリが入っていたり、1000円もしないのにクオリティが高くて感動しました。
食べ終わったら終点の近鉄名古屋駅まで爆睡しておりました。
ちょっと横に目をやると、初日の最初に乗ったアイツが鎮座していました。きれいにオチがついて草。